地元である神奈川県横浜市を拠点に作陶を続ける田川舞さん。装飾を削ぎ落とし、土本来の質感や表情と純粋に向き合うなかで、近年意欲的に取り組まれているのが、釉薬を使わずに焼き上げる「炭化焼締」の仕事です。
窯のなかで直接炎と煙を浴びることで生まれる、マットで奥行きのある黒やグレーの豊かなグラデーション。さらに火の回りが生み出す偶然の産物である「緋色(ひいろ)」の揺らぎは、火と土が交わり合って生まれた、二度と同じものは現れない一度きりの自然の景色を映し出しています。
手にしたときに伝わる土肌の素朴で力強い手触りと、日常の器としての軽やかさ。フチのシャープな立ち上がりや洗練されたフォルムは、プリミティブな土の野趣を湛えながらも、現代の食卓や暮らしの空間に美しく溶け込みます。
<略歴 / PROFILE>
田川 舞 / Mai Tagawa
1995年 神奈川県横浜市生まれ
2019年 多摩美術大学工芸学科陶芸専攻 卒業
2020年 栃木県小山市で作陶を開始現在は、神奈川県横浜市の工房にて制作